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模型大好き!~情景家・櫻和春のジオラマ製作 / ラジコン製作

 

1955年(昭和30年)トヨペット・クラウン
ジオラマ製作記
1/32オーナーズクラブ・アリイ(マイクロエース)

アリイ(マイクロエース)から発売されている1/32オーナーズクラブ '55トヨペット・クラウン(初代クラウン)のジオラマ、『小京都の旅』の製作記です。テーマは”小京都”。はんなり、しっとりの和のテイストが伝わるジオラマを創り上げます!

京町家や、京町家を彩るノウゼンカズラができました。

この辺で全体感を決めておこうと思います。

櫻の場合、ジオラマ製作の最初からキッチリとレイアウトが決まっているわけではなく、まずは主役となるもの(ジオラマで最も造りたいもの)を造りながらジオラマ全体の構想を練り、次第に形にしてゆくという進め方が多いです。

今回の小京都のジオラマで最も造りたかったのは、格子がたくさんある京町家でしたので、この京町家が映えるようにジオラマの全体感を決めたいと思います。

このページでは、ジオラマレイアウトベースの造り込みと、よりリアルに見せるための大事な脇役たちの製作の様子をご覧いただきたいと思います。
アリイ '55トヨペット・クラウン 小京都のジオラマ製作

製作記 その6(ジオラマレイアウトベース・船着場・木杭の製作)



アリイ '55トヨペット・クラウン 小京都のジオラマ製作 レイアウトベースの製作 位置決め まずはジオラマのレイアウトを考えます。

実際に京町家、1/32オーナーズクラブ '55トヨペット・クラウン(初代クラウン)を 置いてみて、小京都の様子をイメージしていきます。

イメージする際の主軸は、できるだけクルマや京町家が映えるようにということですが、 撮影の際によりリアルに見えるようなレイアウト、ということも重要視しています。

ちなみに定規は、道や川や橋などのイメージで置いています。



アリイ '55トヨペット・クラウン 小京都のジオラマ製作 レイアウトベースの製作 プラバンのカット 大体のレイアウトが決まったら、ジオラマレイアウトベースとなる プラバンを切り出します。

今回は、川を造りますので、高低差を作るための切り出しです。



アリイ '55トヨペット・クラウン 小京都のジオラマ製作 レイアウトベースの製作 底上げパーツ造り1 当然ではありますが、高低差のうち、高いほうに京町家が載ります。

京町家は、それなりに重さがあるので、しっかりと支えられる柱を造ります。

とはいえ、最終的には見えなくなる部分ですので、余ったプラバンをフル活用します。

サイズが揃っていないのはそのためです(笑)



アリイ '55トヨペット・クラウン 小京都のジオラマ製作 レイアウトベースの製作  底上げパーツ造り2 ライターでプラバンを熱して直角に曲げ、 5mmプラ棒に接着します。

最初にプラスチック用の接着剤で固定してから、 プラリペアで完全固定させます。

柱はジオラマでも要ですので、できるだけ強固にします。



アリイ '55トヨペット・クラウン 小京都のジオラマ製作 レイアウトベースの製作  底上げパーツ造り3 そして、こんな風にジオラマベースに取り付けます。

適当に置いているような配置ですが、 一応、負荷がかかりそうなところを考慮して 柱の位置を決めています。



アリイ '55トヨペット・クラウン 小京都のジオラマ製作 レイアウトベースの製作  底上げパーツ造り4 プラリペアが乾いてから、ジオラマベースを立ててみました。

グラつきもなく、精度の高い出来になりました。

・・・卓球台みたいに見えなくもありませんが、 これが、後に小京都の雰囲気を出してくれるように変わるんです。



アリイ '55トヨペット・クラウン 小京都のジオラマ製作 レイアウトベースの製作 石垣用ベースの製作 この傾斜面は、石垣になる部分。

これから小石を使って石垣を作っていきますので、 まだ、この傾斜面をジオラマベースに接着することはしません。



アリイ '55トヨペット・クラウン 小京都のジオラマ製作 レイアウトベースの製作 石垣製作用小石 アオシマの'92年式 JZX90 トヨタ・マークⅡ 2.5 グランデGの ジオラマを造った時にはプラバンにケガいて岩板を製作しましたが、 今回は、実際に石を組み合わせて造って行きます。

石垣造りの主役はこれ、「魚焼きグリルサンド」です。

本来はキッチン用品ですが、ジオラマ製作にもかなり使えそうです。

なんと、300gも入って100円です。

カインズホームさんの企業努力に感謝しつつ使用することにします。



アリイ '55トヨペット・クラウン 小京都のジオラマ製作 レイアウトベースの製作  石垣製作用小石の大きさ比較 「魚焼きグリルサンド」をライターと大きさ比較してみました。 1/32でも1/24でも使えそうな、程よい大きさです。

丸過ぎることなく、平面的な面もきちんとあるのも 今回の石垣造りでのポイントの一つです。



アリイ '55トヨペット・クラウン 小京都のジオラマ製作 レイアウトベースの製作 石垣用小石の接着 小石の選別を終えたら、早速積み上げていきます。

実際は積み上げるというよりは、接着していくという感じです。

ベースがプラバンということもあり、接着に木工用ボンドは使えませんので、 フレキシブルモデリングペーストを活用して接着していきます。



アリイ '55トヨペット・クラウン 小京都のジオラマ製作 レイアウトベースの製作 石垣用小石の接着2 小石が後々も取れないようにモデリングペーストをプラバンに多めに塗り付けます。



アリイ '55トヨペット・クラウン 小京都のジオラマ製作 レイアウトベースの製作 石垣用小石の接着3 できるだけ隙間ができないように、小石の形を見極めてながらはめ込みます。

程良くモデリングペーストが小石の淵を囲むように付く様にして 小石と小石の間には隙間ができないように気をつけて作業します。

モデリングペーストは実際の作業で言うとコンクリートの位置付けですね。



アリイ '55トヨペット・クラウン 小京都のジオラマ製作 レイアウトベースの製作 石垣をジオラマベースに取り付ける モデリングペーストが固まったら石垣の造形は終了です。

画像はジオラマベースに石垣を接着させているところです。

プラスチック用接着剤で、ジオラマベースと石垣のプラバン同士を接着し、 隙間をプラリペアで埋めて完全固定させます。

・・・でもこれだけでは石垣の固定が十分ではありませんでした(笑) 最終的には、裏側をプラバンで補強しながら固定しました。



アリイ '55トヨペット・クラウン 小京都のジオラマ製作 レイアウトベースの製作 石垣をジオラマベースに取り付ける2 この作業でのプラリペアの使い方は、解説書にはない櫻オリジナルの方法です。

先にプラリペアの粉末樹脂を固定したい部分に置いて行き、 次に液体樹脂を流してゆくという方法です。

こうすると、広範囲でプラリペアを使用する際の時間短縮になりますし、 固まったプラリペアも凸凹が少なくきれいに仕上がります。



アリイ '55トヨペット・クラウン 小京都のジオラマ製作 レイアウトベースの製作 土手の製作 川のすぐ脇の小道を造ります。 使用するのは、プラバンと新聞紙です。

小道の川側の面はあまり凸凹させたくないので、クシャクシャの新聞を両面テープで プラバンに貼り付けて、微妙な凹凸は持たせつつも、大局的には平坦になるようにします。

道の部分は、凹凸を出すために、クシャクシャにした新聞だけで形を表現します。

余談ですが、この小道を実際は何と呼ぶのかがわかりません(笑) ”土手”と呼ぶ程大きくないし、”あぜ道”は田んぼにある小道だし。。



アリイ '55トヨペット・クラウン 小京都のジオラマ製作 レイアウトベースの製作 土手の製作2 画像の手前が川の流れる予定のところ。

小道の川側は、道部分よりも平坦になっています。



アリイ '55トヨペット・クラウン 小京都のジオラマ製作 レイアウトベースの製作 土手の製作3 形が決まったら、モデリングペーストで表面を整えます。

石垣との隙間ができないように新聞を詰めたりしながら作業を進めます。



アリイ '55トヨペット・クラウン 小京都のジオラマ製作 レイアウトベースの製作 川底の製作1 小道の造形が終わりましたので、今度は川底を造ります。

基本的には砂ですが、鯉がいてもおかしくないように、 泥の表現も盛り込んでいきます。

まずは、砂を全体に敷く作業です。

'92年式 JZX90 トヨタ・マークⅡ 2.5 グランデGのジオラマの時には、平坦な砂地にしたかったので時間のかかる作業となりましたが、 今回は凹凸を作りたいので、モデリングペーストで簡単に造れそうです。



アリイ '55トヨペット・クラウン 小京都のジオラマ製作 レイアウトベースの製作 川底の製作2 モデリングペーストを凹凸をつけながらプラバンに塗ったあと、 砂をパラパラと落とし、筆でならしていく作業を繰り返して まずは砂だけの川底を造ります。



アリイ '55トヨペット・クラウン 小京都のジオラマ製作 レイアウトベースの製作 川底の製作3


アリイ '55トヨペット・クラウン 小京都のジオラマ製作 レイアウトベースの製作 土手の造形仕上げ 川の脇の小道に塗ったモデリングペーストが少し乾いてきたので、 毛羽立った固めの毛の筆で垂直にトントンと軽く叩くようにして細かい起伏を作ります。



アリイ '55トヨペット・クラウン 小京都のジオラマ製作 レイアウトベースの製作 川底にとのこを振りかける 川底製作に戻ります。

モデリングペーストが乾かないうちに、泥表現を行います。

作業はとっても簡単。茶漉しに”とのこ”を入れて 人差し指で軽くポンポンと叩くだけです。

このようにして全面に”とのこ”を振りまきます。

以上、川の泥表現でした(笑)



アリイ '55トヨペット・クラウン 小京都のジオラマ製作 レイアウトベースの製作 水溶き木工用ボンドで川底を固定1 あとは川底の砂と”とのこ”をジオラマベースのプラバンに固定させるだけです。

水溶き木工用ボンドを注射器に入れて作業をします。

ちなみに この注射器は、香水を小瓶に移す時に使用するものらしいです。

カラーバリエーションは豊富ですが、透明なものはなく、 ほとんどがパステルカラーで、ようよう選んだのがこの青でした(汗)



アリイ '55トヨペット・クラウン 小京都のジオラマ製作 レイアウトベースの製作 水溶き木工用ボンドで川底を固定2 先端に水溶き木工用ボンドの玉を作ったら(画像上)・・・

その玉を川底に優しく置いて、吸い込ませます(画像下)。

「普通、こんなにきれいに吸い込まないよ。」っていう声も聞こえそうですが・・・ いえいえ、この水溶き木工用ボンドはスッと染み込んでいくんです(笑)

秘密ってほどでもありませんが、ちょっとだけ食器洗い用の洗剤を入れているんです。 こうすると、界面活性剤入りの水溶き木工用ボンドになって、 ”とのこ”ですら浮かずにきれいに固定できるんです。

鉄道模型のジオラマの世界では普通の方法みたいですね。



アリイ '55トヨペット・クラウン 小京都のジオラマ製作 レイアウトベースの製作 水溶き木工用ボンドで川底を固定3


アリイ '55トヨペット・クラウン 小京都のジオラマ製作 レイアウトベースの製作 川底の完成 一昼夜そのままにして、木工用ボンドが固まったら 川底の完成です。

鯉がいるような泥系の川底ですので、 水草は入れないことにしました。



アリイ '55トヨペット・クラウン 小京都のジオラマ製作 レイアウトベースの製作 石段の製作1 石垣だけだとちょっと寂しいので、 少し遊ぶことにしました。

ということで造り始めたのが、この石段です。

基本はモデリングペーストで小石を固定させてゆく作業ですが、 さすがのモデリングペーストでも、乾燥前では小石の重みを支えることができず、 崩れてきてしまい、なかなか作業が進みませんでした。

途中で、額の淵の保護用ダンボールがあることに気づき こんな風に支えにして作業を進めました。

あるものは何でも使わないと(笑)



アリイ '55トヨペット・クラウン 小京都のジオラマ製作 レイアウトベースの製作 石段の完成 40分の悪戦苦闘の末、石段ができました。

これが本物なら、どうして石段が固定されているのか不思議に見える光景ですが、 雰囲気重視のジオラマなら、これくらいの非現実性なら許されるかなぁと(笑)



アリイ '55トヨペット・クラウン 小京都のジオラマ製作 桟橋(船着場)の製作 木目を付ける 更に遊びは続きます。

ジオラマにはストーリーがないと面白くありません。

でも、石段を降りて散歩?では芸が無いので、船着場(桟橋)を造ることにします。

京町家の宿のご主人が小舟に乗り、川からの恵みを少しだけ失敬したり、 隣の街に出かけたりするという日常のストーリーを盛り込むことにしました。



アリイ '55トヨペット・クラウン 小京都のジオラマ製作 桟橋(船着場)の製作 パーツ群 材料はシンプルにこんな感じです。

プラ版とABS樹脂棒には荒目の紙やすりで木目を入れています。



アリイ '55トヨペット・クラウン 小京都のジオラマ製作 桟橋(船着場)の製作 木の柱の頭の角を落とす 支柱の頭は、角を落としてよりリアルにしてみました。



アリイ '55トヨペット・クラウン 小京都のジオラマ製作 桟橋(船着場)の製作 木の柱の頭の角を落とす2


アリイ '55トヨペット・クラウン 小京都のジオラマ製作 桟橋(船着場)の製作 足場の造形完成1 板も微妙にずらして、京町家のご主人のお手製という体にしました。



アリイ '55トヨペット・クラウン 小京都のジオラマ製作 桟橋(船着場)の製作 足場の造形完成2


アリイ '55トヨペット・クラウン 小京都のジオラマ製作 桟橋(船着場)の製作 柱の加工 リューターに付けた丸刃で支柱にほぞ穴をあけます。



アリイ '55トヨペット・クラウン 小京都のジオラマ製作 桟橋(船着場)の製作 造形の完成 ほぞ穴にプラ板を差し込んで接着したら船着場(桟橋)の造形の完成です。



アリイ '55トヨペット・クラウン 小京都のジオラマ製作 水中花壇の製作 木杭の木目入れ 対岸に菖蒲の花を植えることにしました。

ただ、今回のジオラマが想定している季節は初夏。 菖蒲は5月頃から咲き始めますが、7月に入っても まだ咲き続けている菖蒲は残念ながらありませんので、 葉っぱだけの菖蒲を植えます。

それに先立って、囲いの木杭を造ります。

これも、船着場(桟橋)と同じように、 紙やすりや、ケガキ針で木目を付けました。



アリイ '55トヨペット・クラウン 小京都のジオラマ製作 水中花壇の製作 木杭の角取り 先の角を落とすのも同じです。



アリイ '55トヨペット・クラウン 小京都のジオラマ製作 水中花壇の製作 木杭のカット 角を落として、リューターで切り落とす作業×23回(笑)

基本の長さを1cmにしましたが、不揃いにするため、 8mmのものをつくったり、1.2mmにしたりと、 計算された適当さを織り込みながら作業を続けました。



アリイ '55トヨペット・クラウン 小京都のジオラマ製作 水中花壇の製作 木杭の造形完成 23個くっつけたの図(笑)これで木杭の造形ができました。

これから、先ほど造った船着場(桟橋)と共に塗装に入ります。



アリイ '55トヨペット・クラウン 小京都のジオラマ製作 水中花壇の製作 塗装用の持ち手を付ける 余りのプラバンをライターで炙って曲げ、瞬間接着剤で仮固定し、 塗装時の持ち手としました。



アリイ '55トヨペット・クラウン 小京都のジオラマ製作 桟橋(船着場)の製作 塗装開始 エアブラシで、茶系の色を単色で塗りました。



アリイ '55トヨペット・クラウン 小京都のジオラマ製作 桟橋(船着場)の製作 薄いフラットブラックでウォッシング ここから汚し(ウェザリング)に入ります。

まずは、つや消し黒をかなり薄めたものを全体に塗ります。
(ウォッシングってやつです。)

船着場(桟橋)は、結構汚れるかなと思い、 今回は、乾いたら塗りを2回繰り返しました。



アリイ '55トヨペット・クラウン 小京都のジオラマ製作 桟橋(船着場)の製作 ドライブラシでウェザリング そこから、同系色を白っぽくした色で、トントンと色を置いていきます。

水周りにある造形物ということもあるのでドライブラシほど乾燥させていません。

言うならセミドライブラシというところでしょうか(笑)



アリイ '55トヨペット・クラウン 小京都のジオラマ製作 桟橋(船着場)の製作 つや消しクリヤを吹いて乾燥中 さんざん汚しまくって(笑)つや消しクリアーを吹き乾燥中。



アリイ '55トヨペット・クラウン 小京都のジオラマ製作 レイアウトベースの製作 桟橋(船着場)の完成 船着場(桟橋)と木杭ができました。

結構汚したのですが、画像にするとあまりそう見えません(悲)

また、ちょっと黒くし過ぎだったかもしれません(汗) まぁ、腐食防止でクレオソートでも塗ったことにすればOKですね(笑)

次は、石垣の塗装と、雑草の製作です。



アリイ '55トヨペット・クラウン 小京都のジオラマ製作 水中花壇の製作 木杭の完成

次の頁は、製作記 その7(ジオラマレイアウトベース、雑草の製作・石垣の塗装)

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