初製作となるノウゼンカズラですが、
花の部分は、花びら部分と、ガクから花びら手前までのラッパ状の部分の
2つに分けて造ることにしました。
まずは、ノウゼンカズラの花のラッパ状の部分を造ります。
ということで、ティッシュペーパーをチョキチョキと切ります。
アオシマの'92年式 ZX90 トヨタ・マークⅡ2.5 グランデGの
ジオラマで花を造った時のページの最後の方に、
『ティッシュは、やっぱり花よりも鼻用にできているのが良くわかりました』
と書きましたが、性懲りも無く今回もティッシュペーパーで花を造ります(笑)
ノウゼンカズラの柔らかい花びらの感じは、やっぱりティッシュペーパーでないと
表現が難しいかなぁという判断です。
(布の方が扱いが楽なんですけどね。。)
前回は時間の制約があったため、お世辞にも丁寧とは言えませんでしたが、
今回は好きなだけ時間が取れますので、慌てず、手を抜かず造ります。
カットしたティッシュペーパーを、先端が鋭く尖った
ニードルに巻き付けます。
先端にちょこっと巻き付ける感じです。
優しくクルクルとニードルを回して、それっぽく形成します。
きれいに形成できたら、水溶きの木工用ボンド風呂に漬けます(笑)
漬けるとは言え、ほんの少しで大丈夫。
すぐに吸水しますので、”漬ける”というよりは
”付ける”が適切な言葉かもしれません。
再度形成します。
この画像では先端が丸くなっていますが、形成途中のもので、
最終的には、先端はできるだけ尖るように造ります。
ニードルから”ポン”とはじくような感じで取ると
このような、アイスクリームのコーンのような形に形成できます。
最初はヤワヤワで扱いにくいですが、
木工用ボンドが乾くと、それなりの硬さが出ます。
全部で100個作りました。
最初はニードルから”ポン”とはじくのがうまくいかず
形を変えずに道具から外すのに手間取りましたが、
30個目あたりからコツが掴めてきて
思ったよりも苦にならない作業でした。
ノウゼンカズラの上部とラッパ状の部分をくっつけます。
やはりこの部分もティッシュペーパーを使います。
ラッパ状の部分の頭に、水溶き木工用ボンドをちょこっと付けて・・・
四角いティッシュペーパーにペタッ。
これで一次作業は終了です。
3個がうまくいかず、97個になりました。
それでも十分過ぎる数です。
最終的に90個くらいになってしまうのかなぁと覚悟しています。
単調な作業が続きましたので、仮に花びらの最終的なカットを練習してみました。
まぁ、こんな感じでOKですね。
着色してあれば、それなりに、ノウゼンカズラに見えそうです。
製作の先が見えてきたような気になって、良い気分転換になりました。
ノウゼンカズラの塗装に入ります。
まずは、花びらの上部から。
色を付けて乾燥すると、ティッシュペーパーが少し硬くなり、
作業途中で破れたり、強い折り目ができたりするのを防ぐことができます。
塗料はターナーのアクリルガッシュという絵画用のアクリル塗料を使用しました。
アクリル塗料は、エナメル系塗料やラッカー系塗料よりも、
花の優しい風合いが出せるような気がします。
(柔らかさだけなら水彩絵の具なんでしょうけどジオラマ用パーツに水彩はちょっと勇気が要ります。)
色付けは、諸々の工程の中でも楽しめる工程の一つです。
花びら上部に付けた塗料が乾いたら、
下方のラッパ状の部分の塗装をします。
生成りの色よりも若干黄色が強い程度の色味です。
ノウゼンカズラの花の柔らかさが出ますように。
ズラリと並んだ製作中のノウゼンカズラ。
この段階で、95個前後になりました。
失敗してしまいジオラマ参加ができなくなった花には申し訳なく思いますが、
かなり細かい作業ゆえ、この段階で5%程度の失敗はどうしても避けることができません。
失敗の原因は、筆に水を含ませ過ぎて
ティッシュペーパーが破れてしまったというのがほとんどです。
花の上部の中央にも、ラッパ状の部分に塗った色と同じ色を付けます。
そして、いよいよ花びらのカット作業に入ります。
淵を丸くカットしてから、ハサミを縦に入れて花びらを5枚に切り分けます。
そこから1枚ずつ花びらの形を整えていきます。
ノウゼンカズラのミニチュア製作工程の中で、最も手間がかかるところです。
でも、楽しんだよなぁ、これが。
最終的に、(おそらく)90個前後のノウゼンカズラの花ができました。
実物のノウゼンカズラの花びらは、もう少し外側に開いていますが、
これは、これで、それなりに雰囲気は出ているんじゃないかなぁと思います。
ラッパ状の部分の下の方に”がく”を入れるかどうかは只今思案中です。
”がく”を入れるとすると、花に直接黄緑色の塗料で描き入れるのが楽ですが、
よりリアルにするためには、別パーツにして貼り付けることになります。
・・・どうせやるならやっぱり、別パーツになるのかな。
夜も更けていますので、”がく”はひとまず保留にして、
今日のところは机の上を片付けることにします。
画像は、散らばったティッシュペーパーの切り屑を一箇所に寄せたところ。
やっぱり、かなり細かい作業だったんだなぁ。
今夜はぐっすりと眠れそうです(笑)
夜が明けました(笑)
柔らかい朝日の中、”がく”造りの開始です。
(ここまでやったら、やっぱり”がく”も別パーツにすることにしました。)
まずはティッシュペーパーにそれっぽい色を染み込ませます。
筆を使いますが、着色というよりは染色ですね。
そのままにしておくと、ティッシュペーパーがくっついてしまうので、
筆の柄のほうですくって干しておきます。
エアブラシのハンドピースのスタンドが物干し台になります(笑)
少し湿っている程度になったら、文鎮を載せてしわにならないようにします。
乾いたら、細長くカットして”がく”のように
三角に切り込みを入れます。
かなり細かい作業ですが、厳密に三角にならなくても、
それっぽい雰囲気が出ればOKです。
”がく”を貼り付ける部分に固めの水溶き木工用ボンドを付けて・・・
”がく”のティッシュペーパーをクルクルと貼り付けます。
はい、全部巻き付けました・・・って、
一言で片付けたくないくらい時間がかかっています(汗)
とにもかくにも、花はこれで完成です。
さて、幹の部分の製作ですが、今回は花が入るため、マークⅡのジオラマの時のように、枯葉でそれっぽく見せるのは
ちょっと難しいかなと思い、熱帯魚用の水草を使ってみることにしました。
葉の形が違うものの、遠目には何とかなるかなぁと目論んでいますが
さてどうなるでしょうか。
これが水草の1ユニットです。
これでは大き過ぎる(長過ぎる)ので、8分割にします。
まずは土台から切り離して四等分にし、
そこからそれぞれを二等分すると
全部で8個の葉になります。
8等分した葉は、1mmプラ棒に皮細工用の太めの糸で結び付けます。
この糸は、葉を取り付けるだけではなく、他にも重要な役割を果たしてくれます。
今回使った葉は、PET樹脂(ポリエチレンテレフタレート)でできていますので、
通常の接着剤は使用できません(プラリペアでさえも無理です)。
そこで、この木綿製の糸に花を接着させようというわけです。
画像に写っているスプレーは、「99工房・バンパープライマー」です。
このスプレーは、自動車のバンパー(ウレタン樹脂やポリプロピレン)の
塗装をする際に吹き付けて、塗料の付きを良くしてくれるものです。
PET樹脂にも使えるかどうかは微妙でしたが、何もしなければ
塗料がはがれるのは必至ですので、藁をも掴む思いで試してみることにしました。
実際の塗装の前に「99工房・バンパープライマー」を試してみたところ、
塗料がはがれないわけではありませんが、”使わないよりマシ”でした。
ということで「99工房・バンパープライマー」を、
葉っぱ全面にたっぷりと吹き付け、
乾燥したところで、ターナーのアクリルガッシュを筆で塗装しました。
ここはエアブラシよりも筆塗りの方が塗りやすいですし、
ムラも味となって良いような気がします。
塗料が乾いたら、花を一個一個取り付けていきます。
糸の先端に爪楊枝で木工用ボンドを付けて、花を接着させます。
これもなかなか難しい。木工用ボンドがある程度乾くまで待たないと
曲がったまま接着してしまいます。
そこで、花を乗せたら接着部分に軽くエアを吹いて
乾燥を早めながら作業を進めます。
という工程を経て、ノウゼンカズラができました!
葉の形はやはりちょっと気になりますが、
まぁ、花の形に助けられていることもありノウゼンカズラに見えるかな。
本来のノウゼンカズラは、もっと葉っぱがワサワサとしていますが、
そうすると花を増量しなければならないので、やめておくことにします。
あ、花を造るのが大変ということではありませんよ(笑)
これ以上花が増えてしまうと、ジオラマの主役になってしまうくらい
目立ってしまうからです。
(これでも十分目立つでしょうけれど(汗))
確かに美しいんですが、今回のジオラマのテーマは「小京都」ですから、
花だけが際立ってしまってはいけないんです。
さて、次はどこの部分をつくりましょう。