ジオラマのメインとなる
京町家の造形がほぼできました。
そして、屋根の造形もできています。
収まりを確認しながら屋根の製作をしたので、
1階部分と厨子二階(つしにかい)部分が壁で固定されていますが、
塗装をするにあたり、ここで再度、1階部分、2階部分、
間に入る壁の部分に解体してしまいます。三枚下ろしですね(笑)
壁は土塗り壁風にしていますので、その部分をマスキングしても良いのですが、
それぞれのパーツをばらばらにした方が楽ですし、仕上がりもきれいにいきます。
解体することを想定して、瞬間接着剤で数箇所だけしか
接着していませんので簡単にばらすことができます。
まずは、メインとなる京町家の格子や、板葺き屋根用の塗料を調色します。
普通の木造住宅とは少し異なって特徴的な色ですので、
その特徴をうまく出せるかどうか乞うご期待です。
これまで塗料の調色の様子を撮影したことが無いので、
順番に撮ってみました。
最初は、基となるMrカラーのマホガニーを多めに入れて、次にレッドを入れて・・・
というように、色の要素が強いと思われる順に塗料を足していきます。
塗装するものは木材の格子がほとんどですが、京町家の特徴的な色を出すために
マホガニー以外の木材っぽい色も入れてみます。
ここでは、希釈したMrカラーのダークアースを試してみました。
塗料の調色が続きます。今回のジオラマでメインとなる建物ですので、
自分が完全に納得できる色にしたいところです。
先ほど入れたレッドの要素が強すぎましたので、再度マホガニーを入れて、色を戻しました。
最後は色をキリッと引き締める役としてブラックを少しばかり入れて調色は完了です。
エアブラシで塗装しますので、Mrカラーレベリングうすめ液を入れて
塗料をサラサラにしておきます。
今回の調色で使用した塗料の色数はたまたま少なくて済みました。
色を混ぜ過ぎると汚くなるという考えもありますが、
実世界の色って、案外そういう色ばかりなんじゃないかと思っています。
櫻がジオラマを造る時には、基本的には、(自分のイメージを)
写実的に表現したいと思っていますので、
色は納得できるまで混ぜまくっています(汗)
(調色は特に自己満足で、それで良しです。同じものでも人により違う色に見えて当然ですし。)
塗料が出来上がりました。
京町家に似合う何ともジャパネスクな色になりました。
ほぼ櫻がイメージしていた色になり満足の調色になりました。
早速塗装に入ります。
まずは、2階の虫籠窓(むしこまど)部分から始めます。
格子の塗装は面が多いので時間がかかります。
でも塗装は焦っちゃいけません・・・って自分に言い聞かせながら
ハンドピースのトリガーボタンを強く引くのを我慢します。
(でも、いつもこの我慢ができないんだよなぁ。)
虫籠窓(むしこまど)の塗装が完了しました。
この塗装に20分です。
ちなみに、この画像は180度回転させています。
画像向かって右の長いプラ棒は、支えとなる脚です。
これがあるので、撮影時は逆に置くことしかできませんでした。
さぁ、覚悟を決めて(笑)更に格子の数が多い1階部分の塗装に入ります。
気をつけるのは、”塗装していないところがないこと”です。
当たり前すぎることではあるのですが(笑)
本当に基本的なことですが、ここまで格子が多いと、
ある方向からの塗装を忘れてしまうことがあるんです。
格子の奥の角の部分で色が入っていないところがあったりするんですね。
それに気づくのは大抵撮影のとき。
製作が完了していますから、塗料もすっかり掃除してしまっていて
同じ色を作るのに苦労することになります。
(でも、まったく同じ色を作ることはほぼ不可能です。)
そのようなことがないように、塗装の際は、
被塗装物の向きを決めたら、その向きで全ての部分を塗装し、
次に、被塗装物の角度を変えてその方向で全塗装し・・・
ということを全方位で行うことで、塗装していない部分が出ないようにします。
京町家1階部分の塗装も終盤戦に入りました。
被塗装物から少し離して、
ハンドピースのトリガーボタンを
強く押し込んで
幅広く塗料を吹き付けていきます。
砂吹きのようになってしまいますが、そうなったらそうでまた良しです。
こうすれば、仮に塗装していない部分があったとしても
少しは塗料が付いている状態になるかなぁと
期待しながら吹き付けています(笑)
無事全体の塗装が完了しました。下のサーフェイサーだけとは趣が格段に違います。
この後、この色で2階部分の板葺き屋根の塗装も予定していましたので、
塗料が足りるか心配な状況でしたが、ぴったりの量でした。
(でも、ぴったりなだけに修正用の塗料が無いということで(汗))
汚しも入れますが、屋根などのパーツを全て取り付けてから
バランスを見て行います。
今度は、銅板葺き風の屋根の塗装をします。
基本とするのはMrカラーの”RLM81ブラウンバイオレット 独機上面色”で、
そこに結構な量(1/3位でしょうか)のホワイトを入れます。
実際の
銅板葺きは、葺いた最初はピカピカですが、
割と早い段階で酸化して緑色に変わってきます。
その緑は、ホワイトがかった緑で、そこから更に薄っすらとブラックが入ってきます。
今回の銅板葺きの塗装は、ラッカー系塗料(Mrカラー)の
ホワイトがかった緑をエアブラシで吹き、
次に、タミヤ・アクリル塗料のつや消し黒メインの色をかなり薄めたものを
筆塗りで薄く広範囲に塗装(ウォッシング)をしようと思います。
まずは、先ほど作ったホワイトがかった緑をエアブラシで吹きます。
この時も、銅板葺きの趣の一つである色の変化を出すため、
一色ではなく、時々ホワイトの塗料を追加するなど工夫をしながら吹き付けていきます。
ホワイトの追加方法は、ほんの少しのつや消しホワイト塗料を
直接ハンドピースのカップに入れて、
適量のMrカラーレベリングうすめ液を目分量で入れます。
そして、ハンドピースのうがいをガラガラして塗料をよく撹拌してから、
吹き付けを再開するという方法です。
そんな風にして、同系色の若干変化のある色を何色も吹いて自然なムラを作ります。
そんなこんなで銅板吹き風の屋根の一次塗装が完了しました。
画像でもお伝えできていると思いますが、いい感じでムラになっています。
右隣にあるのは、二階部分の屋根ですが、
こちらはトタン屋根風にして、一階部分の格子の色と
同じ塗料で吹き付けています。
(この屋根の塗装が終わった時にちょうど塗料が切れたんです。)
塗料が乾いたら、エナメル塗料で汚し塗装(ウェザリング)をします。
屋根の塗料を乾かしている間に、先に造っておいた基礎部分と壁部分のパーツを
京町家に取り付けていきます。
塗装前のサイズで合わせているので、若干きつめですが、
それが丁度良い感じで、はめ込むだけで動かなくなります。
念のため
取り付けた後に液状の瞬間接着剤を流し込んで補強します。
屋根を取り付ける前の京町家。
これだけでも、そこそこ雰囲気が出ていますが、
ジオラマの一つとして全体の雰囲気に溶け込むと、
更に趣のある京町家に見えるに違いありません。
とても楽しみになってきました。
銅板葺き屋根の塗料も乾いてきましたので、
早めに仕上げて、京町家に取り付けたいです。
銅板葺き屋根の基となる色の塗料が乾燥しましたので、
よりリアルにするための仕上げを行います。
あまり年期の入った真っ黒に近い黒の銅板葺き屋根にはしたくないので、
墨入れ用に使っている、超薄に薄めたつや消し黒を更に薄めて
屋根の広範囲(でも全部ではなく一部分)に平筆で塗ります。
その後、薄いつや消し黒が乾かないうちに、やはり薄くした
つや消しのホワイト(厳密にはつや消し黒も混ぜているのでグレーです)で
縦線を引き、その縦線の輪郭がボケてくるまで
エナメル用溶剤を付けた筆で
何度もなでる作業を行います。
この時、筆をまっすぐ下に持ってくるようにすると
自然な流れの汚しになります。
最後につや消しクリヤを吹いて、銅板葺き屋根は完成です。
ガラス窓などをはめ込みます。
今回は、透明プラバンを使った擦りガラスにはしません。
京町家らしく和紙を使用します。
和紙と入っても、すぐに破れてしまってはいけませんので、
プリンター用の和紙(風)用紙にしました。
少し大きめに切って両面テープで固定させます。
見た目には気にならないのですが、裏側から光が入ると
隙間があるのが良くわかってしまうので
パテで全ての隙間を埋めました。
当初は予定がなかったのですが、側面の壁も造りました。
この壁があるだけで撮影可能な角度が増えるんです。