石垣の塗装に入る前に、小道に生えている雑草を造ることにしました。
で、材料は・・・これまた雑草です(笑)
かなりポピュラーな雑草、ネコジャラシ(エノコログサ)です。
実は、この工程で草を造る予定は無かったのですが、道端で
このネコジャラシを見て、これまでずっと造りたいと思っていた雑草が
造れることに気づいてしまい、いてもたってもいられなくなっちゃったんです。
まずは塗装から。筆塗りでベタ塗りです。
ターナーのアクリルガッシュの緑系の色を使って、
いくつかカラーバリエーションのある雑草を造ります。
実は、最初は、この毛の部分をほぐしてから塗装していましたが、
ほぐす前に塗装してしまったほうが、数段楽でした(笑)
乾燥中のネコジャラシの毛。
麺類の話じゃありませんが、
この細さと、コシの強さが素材としてのネコジャラシの魅力です。
こんなに細くてしなやかなのにピンと立っているなんて神業です。
やっぱり自然は神様が創ったんだなぁと思えました。
塗料が乾いたところで、植毛(笑)です。
ひとまとまりが、2~4本くらいですので、
それを根気良く植えていきます。
ベースにしているのは、モデリングペーストです。
木工用ボンドでも試してみましたが、
粘度が低くて、毛が倒れてきてしまうことと、
塗装時の塗料の付きが悪いのでやめておきました。
モデリングペーストは、斜めに毛を挿しても倒れてくることはありません。
また、乾燥後の塗装も付きが良く、苦労がありません。
ピンセットで植えて、指で形を整える、という工程を繰り返して
雑草っぽく仕立てていきます。
定規の上で造っているのは、完成後に剥がしやすいからです。
画像ではわかりにくいのですが、定規には、買った時から付いていた
ポリプロピレンのカバーがしてあります。
だから、モデリングペーストもくっつかないんです。
植毛が終わったら、根元の中央部分を葉と同じ色で
筆塗りしておきます。
乾燥してしまえば、毛をかき分けるようにして筆を入れても
毛が取れてしまうことはありません。
最後の最後に汚しを少しだけ入れたら完成です。
製作工程だけを書くとこんなに簡単なのですが、
かなり細かい作業故、かなり時間がかかる工程でした。
でも、このようにピンとまっすぐ伸びた草(でもしなやかさがある草)は、
ずっと造りたいと思っていたので、
達成感が優先して、疲れを感じることはまったくありません。
カラーバリエーションは全部で3種類。
この画像のものと、次に続く2枚の画像のものです。
カラーバリエーションその2。
ちょっと緑を濃い目にして、固い葉の雑草を表現しました。
人でいうと壮年期というところでしょうか。
カラーバリエーションその3。
草としての役目を終えて、あと少しで土に帰ることになる雑草です。
これは老年期ですね。でもこれはこれで美しい。
これが今回造った草の全てです。
今回のジオラマの季節に合わせて、
初夏らしい青年期と壮年期(笑)の草を多めに造りました。
今回大活躍のネコジャラシ(エノコログサ)は、別な部分を使って
次に予定しているジオラマでも登場していただくことにしています。
ネコジャラシ。
子どもの頃から”ただならぬ草”だとは思っていました(笑)が、
ここまでジオラマ向きな草だったとは思ってもみませんでした。
ネコジャラシ(エノコログサ)素材による雑草作りも満喫しましたので、
このジオラマのポイントの一つとなる石垣製作に戻りたいと思います。
造形はできていますので、石の塗装や雑草を移植する工程です。
この工程はかなり楽しめそうで、大人気なくワクワクしてしまっています。
製作の手間を考えて、陸側と石垣&川側のジオラマベースを
一旦分離することにしました。
石垣の傾斜を見るために接合は止むを得なかったのですが、
今回は、もう外すこともないかと思い、かなりしっかりと
接合してしまいましたので、壊さずに分離するのに時間がかかりました。
でも、
これからの楽しい製作工程を考えたら、全然気になりません。
まずは下地塗装です。何事も基本が大事。
1000番のサーフェイサーを吹いてから、
石のベースの色となる若干赤っぽい黒を薄く全体に塗装します。
何色か混ぜて作った色ですが、メインはタミヤアクリル塗料の
フラットブラックとハルレッドです。
全体のバランスを見ながら、梅皿に出したエナメル塗料を
梅
皿の隅で、都度ちょこちょこと混ぜて、
”石っぽい いろいろな色を作っては塗り”を繰り返します。
これまで使ってきた塗料にホワイトを混ぜて、
固めのバサバサの筆でスッスッスッ・・・と
筆を素早く、幅広く動かして石垣に質感を与えます。
気をつけるのは、事前に筆に付けた塗料をカサカサになるまで拭き取ることと、
石の表面部分だけを軽く擦る感じで、筆を素早く動かすことです。
これだけでも十分に石垣になっているとは思うものの、
もう少しリアルな感じを出したいと思います。
タミヤエナメル塗料の
ブルー、グリーン、フラットブラック、フラットホワイト、
ブラウン、バフの五色を梅皿に出して・・・
ブルー・グリーン・フラットホワイトを使ってメインの色を作り、
残りの色は、スパイス的にちょこっとだけ入れて、
苔(コケ)の色を作ります。
苔とは言っても、ゼニゴケやスギゴケのような日本庭園にある
それっぽい苔ではなく、ベタッと広がる青白い苔を表現します。
今回のジオラマの石垣は日当たりの良いところにありますので、
苔を生やすとすると、これしかありませんでした。
実は、この塗装の前日に鎌倉に観光に行ってきまして、
ついでにしっかりと苔を観察してきたんです(笑)
地味ですが、この苔は日当たりに関係なく結構目にしました。
美しいかどうかは微妙なところですが、実際に色を付けてみると、
ジオラマとしての石垣をよりリアルにするために、
名脇役として活躍してくれています。
かなり明るめに撮れていますが、苔がいい味となっています。
ブログにも書いたのですが、苔のバランスや位置が
不自然に見えますが、実際の石垣の苔も見た目には
こんな風に生えていました。
ジオラマを造っていると、より自然に見せようとして
躍起になることがありますが、そういう気持ちで色付けすると、
不自然な自然ができあがってしまいます。
鎌倉で見た自然の苔は、まさにこの真逆のことだったんだなと気づかされました。
タミヤ・テクスチャーペイントの草グリーンと草カーキを4:1位に混ぜて
石段の隅に、爪楊枝でチョコチョコと付けていきます。
これは、苔ではなくて、草のイメージです。
草を植える前に、川脇の小道(土手)を造ります。
基本は、タミヤ・テクスチャーペイントを使用しますが、
このテクスチャーペイントは、サラサラ(というかザラザラというか)しているので、
爪楊枝で広げていくのに若干難があります。
そこで、先に木工用ボンドを塗っておき(画像左)、乾かないうちに
タミヤ・テクスチャーペイントを載せて広げると
とても楽に製作を進めることができます。
仕上がりは、テクスチャーペイント単体で作ったものと変わりありません。
次は川や川底の周辺を作り込んでいきますよ!
ある程度道っぽくなったところで、タミヤ・アクリルカラーのフラットブラックを
爪楊枝の先に付けて、まだ乾いていないテクスチャーペイント&木工用ボンドに
混ぜて、道の色をもう少し黒っぽくしました。
最初からテクスチャーペイントに色を混ぜておけば良かったのですが、
川の脇にある小道(土手)ならば、もう少し黒っぽいかなぁと
できたばかりの小道を見て感じたので、乾燥する前に急遽色を付けました。
次は川や川底の周辺を作り込んでいきますよ!
定規の草むしりをして移植の準備です。
(実際は、とても丁寧に剥がしたんですよ。)
次は川や川底の周辺を作り込んでいきますよ!
草は凸凹の土地に貼り付けますので、
木工用ボンドで接着することにします。
次は川や川底の周辺を作り込んでいきますよ!
草の底に木工用ボンドを付けたら、
根元の周りにテクスチャーペイントを塗り付けて・・・
次は川や川底の周辺を作り込んでいきますよ!
ピンセットを使ってペタッと貼り付けます。
先に
テクスチャーペイントを根元の周辺に付けたのは、
移植した後だと、石垣や、隣の雑草が邪魔になり、きれいに
付けにくいからです。
次は川や川底の周辺を作り込んでいきますよ!
小道(土手)の川側にもテクスチャーペイントで草表現を入れます。
ジオラマの向かって右側には橋をかける予定で、
ちょうど画像の部分周辺は日当たりがそれほどでもないと思いますので、
テクスチャーペイント(草カーキ)を多めにして、変化を持たせました。
画像(塗りたて)の草はベトベトしているし、膨らんでいるような風に見えますが、
テクスチャーペイントの揮発成分が飛んでいくと
塗料の部分は乾燥してしぼんできますし、草のような芯だけが
目立ってきますので、心配ありません。
次は川や川底の周辺を作り込んでいきますよ!
ジオラマ製作を進める中で、石垣などには、まだここから手を入れると思いますが、
ひとまず、この辺で石垣周りの塗装と草の移植(笑)は完了としておきます。
このあたりの工程は、楽し過ぎて、ある程度のところで
とどめておかないと、きりがないんです(汗)
次は川や川底の周辺を作り込んでいきますよ!