教会の礼拝堂の壁を造ります。ここが今回の模型製作の中では難所です。
地方にある小さな教会の礼拝堂ですので、やや質素な感じと、地方ならではの優しい感じ、そして、ジオラマのテーマの一つである”陰”の雰囲気も盛り込みますので、一筋縄ではいかないかなぁと思いつつ、製作を開始します。
質素なイメージは壁の質感を工夫し、優しい感じは、丸みを帯びた室内のデザインで表現します。幸福の中の陰な雰囲気は壁の色で伝えることができたらいいなと思っています。
まずは、厚紙を使って室内の容を大雑把に造ります。
カーブの部分だけ厚紙にして、その他のストレートな部分をプラバンにするということも方法としては考えられますし、その方がおそらく今後の製作進行は楽なのですが、”優しい”とか”柔らかい”空気感を演出するには、厚紙の”しっかりしていない”感じが必要だと思ったんです。
とはいえ、厚紙だけではフニャフニャしてしまいますので、この上に紙粘土か何かを使って硬くする工程は想定しています。素材はまだ決めていません。
ちなみに、この厚紙はタミヤのプラバンの包装に使われているものです。これまでかなり溜め込んでいましたが、やっと出番がやってきました(笑)
丸みを出すため、切り込みを入れた厚紙を木工用ボンドで接着させます。
角はできてしまいますが、後にこの厚紙を基にして何らかの素材で肉付けしていきますので、ここは気にしないで進めていきます。
木工用ボンドが乾燥したので、床側から天井側へ向かって撮影してみました。
右側が開いていますが、ここには天窓を入れることを予定しています。
もし、天窓が合わない場合には厚紙でフタをするまでのことです(笑)
裏側からの撮影。あからさまにプラバンの包装の厚紙です(笑)
丸みはいい感じで出ています。
壁は肉付けはするものの、後に、天井部分にはシャンデリアをぶら下げたり、天窓を付けたりしますので、ある程度の強度を出さなければなりません。
そこで、針金を使って壁の強度を上げることにします。
使用するのは、100円均一で売っていたアルミの針金です。
結構太いですが、ニッパーで簡単に切ることができます。
針金を曲げながら形を整えつつ、セロテープを使って仮止めしていきます。
出窓は、壁の仕上げが終わってから最後の工程で取り付ける予定ですが、取り付ける準備だけ進めておきます。
最後にする理由は、出窓を先に取り付けてしまうと、壁の仕上げの工程で邪魔になるのと、マスキングが手間になるからです。
楽できるところは徹底的に楽をします(笑)
画像は、六角形の出窓を取り付ける部分をカットしているところです。
カットが完了しました。
印刷面はツルツルしていて、仕上げ剤(何ににするかはまだ決めていませんが)のツキが悪いので、こんな風に印刷の層を剥がしてしまうことにします。
印刷面を剥がして、その上にもう一枚貼り付けて、針金をカバーしました。
出窓はやや重さがありますので、厚紙だけでなくプラ板で淵を補強します。
プラ板を切り出して、両面テープを貼り付けました。
出窓の重さの力は、室内から室外の方向にかかりますので、内側に貼り付けます。
窓の淵は、六角形の出窓に合わせて、つや消しブラックで塗装します。
今後壁の仕上げ剤や塗装が入りますので、それに備えて塗装した部分をマスキングしておきます。
天窓は壁と一体仕上げにするので、壁の仕上げの前に取り付けておきます。
左奥の頂点を軸として2辺に取り付けたプラ棒の部分を厚紙に乗せて位置を決めます。
天窓のフレームに合わせて厚紙を木工用ボンドで接着させます。
ジオラマの向かって右には壁を造りませんし、柱も立てませんので、右手前の角が垂れ下がってくる可能性があります。
それを防ぐために、太目のアルミの針金で天井を補強しておきます。
補強に使ったアルミの針金は、場所により厚紙で被せたり、布で被せたりして、固定させます。しっかり固定させないと補強の意味がありませんので、木工用ボンドをたっぷりと塗って貼り付けます。
画像にあるのは、古いワイシャツを小さくカットした布です。
天窓の取り付けが完了しました。
画像ではわかりにくいのですが、天窓のフレームの淵に木工用ボンドを付けています。実際の建築でいうコーキングのような意味合いです。
部屋側(内側)の床から見上げるように撮影してみました。
壁が厚紙のままですが、それでも結構いい雰囲気が出ていますね!
奥に見えている六角形の孔のところに出窓を取り付けたら更にいい感じになるだろうなぁと思うと、もういてもたってもいられないくらいにワクワクしてきます(笑)
あとは、何となく”陰”の雰囲気と優しい柔らかい雰囲気の両立をどう出すかです。
失敗すると一昔前のクラブになってしまいそうですので(笑)
さて、丸いとか優しいとか、柔らかい雰囲気を作っていきます。
同時に厚紙の重なりの段差もなくしてしまわなければなりません。
最初に考えたのが、リキテックス・モデリングペーストの一発塗りで壁っぽく仕上げることですが、それだけではややハードな感じになってしまいそうです。
そこで・・・
丸い感じを出すベタな方法ですが、紙粘土を貼り付けて柔らかい形状を作って、その上にリキテックス・モデリングペーストを塗って仕上げることにしました。
紙粘土を使うと、ややもするとオモチャっぽくなりがちで諸刃の剣ですが、丸い感じが良い感じで出ることや、どれだけ均しても平坦になりにくく、面に微妙な起伏を持たせることができるという、プラ板が苦手とすることも簡単に表現できてしまうという大きなメリットがあります。
オモチャっぽさを抑えるのは、リキテックス・モデリングペーストをベタ塗りではなく、多少手を加えながら塗っていくことでクリアできるかなと思っています。
ということで、早速紙粘土を貼り付けていきます。
指先に水を付けて厚紙に水を塗り、その上に紙粘土を置いて、また指先に水を付けてから紙粘土を上からつぶすように広げていくと、延ばしやすいです。
貼り付けるというよりも、塗り付けるという感じです。
ちなみに、この紙粘土は、昔ながらの紙粘土です。
質量が軽いフワフワした紙粘土みたいなものもありますが、それではうまく表現できないと思います(やったことはないので確信はありませんが(汗))。
紙粘土の塗り途中。
全体的に均等に塗り付けることを頭に置いて塗り進めます。
できるだけ平坦になるように撫でて、撫でて、撫でて、と撫でまくります。
でも、それでも指で撫でているだけでは絶対に平坦にはなりませんので大丈夫です(笑)
画像にある出窓を付ける予定の部分の下側では、まだまだ起伏があり過ぎですね
内壁のベースができましたので、外壁も下地を造っていきます。
と、その前に電気工事をしておきます(笑)
シャンデリアと壁灯を取り付ける2ヵ所にキリで孔を開けます。
銅線を出したい方向に向けてスロープ状になるように孔を削っておきます。
曲がるストローを銅線の通るパイプに見立てて取り付けます。
取り付けとは言っても、セロテープで仮留めするだけです。
こちらは、壁灯の銅線用のパイプです。
外壁も内壁と同じ造り方にしますので、まずは、紙粘土を貼り付けていきます。
まず最初に、こんな風に紙粘土で挟むようにしてストローを固定させてしまいます。
先に脇を固めておけば、上方に紙粘土を貼り付ける際にストローを潰してしまうリスクが少なくなるかなぁと。
脇が甘いと駄目なのはジオラマの世界も同じです(笑)
厚紙を塗らしては紙粘土を置き、指に水を付けて広げてゆくことを繰り返します。
ひとまず、全ての厚紙を紙粘土で包みました。
ここで、紙粘土が固まるまでお休みです(笑)
今は出ていませんが、乾燥すると、おそらく銅線を通すストローのシルエットが
出てくると思います。
そういうものも含めて、乾燥したら、目立つ凸凹を修正していきます。
8割方乾燥しましたが、シルエットが出てくるどころか、ストローを埋めたセンター部分でヒビが入っていました。
でも紙粘土ですから、まぁ、これも想定内のことです。塗装もしていませんから、修正すれば良い話です。
ということで、再び紙粘土でヒビを埋めたり、肉付けした方が良いと思われるところを肉付けしたりします。
こうして見てみると、やはり紙粘土だけだとお伽噺の世界になってしまっているようです。
スターウォーズは、お伽噺と言ってしまえば確かに広義ではそうでしょうが、今回はできるだけリアルなジオラマにしたいので、紙粘土で終わりにせず、完全に乾燥したら、リキテックス・モデリングペーストで表面を仕上げることにしました。
ここでちょっと小休止。
壁灯の銅線が壁に埋めたストローを通るかのチェックを兼ねて仮に取り付けてみました。
結構いい雰囲気を出してくれています!!
これからリキテックス・モデリングペーストを塗りますが、その前に天窓に着いた紙粘土をきれいに拭き取って、マスキングをします。
後に塗装もするので、全面をマスキングしました。
リキテックスのモデリングペーストの中でも、フレキシブルモデリングペーストで壁や天井の仕上げをおこないます。
まずは、バターをぬるように、薄っすらと塗りたくります。
フレキシブルモデリングペーストを塗って・・・
お習字の太筆で上からポンポンと軽く叩くようにして模様をつけていきます。
モデリングペーストが筆に付いてきてしまうので、拭きながら筆先を整えてポンポンを続けます(笑)
ただ、拭いていてもだんだん筆の毛がまとまってきてしまうので、そうしたら別の筆を使って同じことを繰り返します。今回、内側の壁に模様を付けるために3本の筆を使用しました。
そうそう、先に使っていた筆は先に洗わないと、固まってからはもう落とすことができませんので注意が必要です。
でも、ゆっくりしていると壁に塗りたくったバター否モデリングペーストが乾いてしまうので、手早く進めなければなりません。ここは、ダース・ベイダーとではなく、時間との戦いです(笑)
こんな感じに模様をつけていきます。
模様が統一されていませんが、それは、壁に塗りつけたモデリングペーストの量が所々で異なるためです。
モデリングペーストを多く塗ったところは模様が大きく出て、あまり付いていないところはあまり目立つ模様になりません。
今回は、模様よりも下地の紙粘土の極端な凹凸はある程度の凹凸にしながらモデリングペーストを塗ることを優先しました。
壁の色は暗い色を予定していますので、実はこんなに目立つようなことはないんです。たぶん(笑)
内装の仕上げの下地ができました。
おやおや、ダース・ベイダー卿もご覧にいらっしゃいました(笑)
ジオラマがなかなか完成しないので心配になってきたようです。
大丈夫、櫻が咲くまでにはなんとかしますから。たぶん(笑)
内装仕上げのモデリングペーストが硬化しないと塗装に入れないので、その間にステンドグラスの六角出窓を取り付けてしまいます。
接着方法をいろいろ検討したのですが、隙間埋めとを兼ねてエポキシパテでペタッとくっつけることにしました。
ペタッとくっつけるとはいえ、きれいに仕上げながら付けていくのは結構大変です(笑)
左指には、使用済だけどまだ使えるマスキングテープを貼り付けて、エポキシパテが指にくっつくのを防いでいます。
(水で塗らすと粘着力がなくなるので、このシーンでは使えないのです。)
エポキシパテはベトベトなので、出窓の取り付けも兼ねてできるのですが、このベトベトをコントロールするのは本当に難しいです。
先ほどモデリングペーストを塗る時にも使用した、油絵を描く時に使うペンティングナイフを使用して仕上げていきます。
ここまでできたら、あとは指に水を付けて軽くこすりながら表面の凹凸を無くすだけです。
思ったよりもしっかりと固定されているようです。ヨカッタ。
内装のモデリングペーストがまだ乾かないので、外装もモデリングペーストで仕上げてしまいます。
やり方は同じ。モデリングペーストを塗って、太筆でポンポンです(笑)
外装の塗装前仕上げが終了しました。
十字架を壁に取り付ける準備をします。
室内は全体的に緩やかなカーブを描いていますので、そのままではストレートな十字架を壁に取り付けにくくなっています。
そこで、ABS樹脂棒を短くカットしたものを壁に取り付けておいて、壁の塗装後に簡単に取り付けられるようにしておくことにしました。
まずは、両面テープで十字架にABS樹脂棒を仮に取り付けます。
ABS樹脂棒は、エポキシパテを使って壁に接着させます。
十字架はそれほど重くありませんので、これで強度は十分だと思います。
壁に取り付けたABS樹脂棒にもモデリングペーストを塗り、筆でポンポン(笑)して壁と同じようにさせます。
これで、外壁と内壁は塗装のみになりました。
LEDの電源ボックスを隠すためのカバーを製作します。
LEDの電源ボックスは、このスターウォーズのジオラマに限らず汎用的に使用しますので、取り外しが簡単にできるようにします。
具体的には、教会本体とは独立した単なるカバーとします
ただ、このカバーは壁と一体に見えるようにするので、ここで形を作って、外装の塗装と一緒に塗装をする予定です。
厚紙で容を造ったものをアクリル絵の具で黒く塗ります。
小石を貼り付けるのでそのほとんどは隠れてしまいますが、隙間から見える厚紙の部分を後から塗るのは大変なので、この段階で全てを塗ってしまいます。
こんな感じ。一部が塗られていないのですが、ここはツルツルした印刷面を剥離しきっていなかったところです。でも、ほとんどが隠れる部分ですので気にしないで進めてしまいます。
素材が紙粘土だけでも芸が無いので、小京都のジオラマを造った時に使った小石を使いたいと思います。
ホームセンターで100円前後で購入したものですが、”大容量”と書かれているだけあって、まだまだ残っています(笑)
小石は木工用ボンドで貼り付けていきます。
たしか小京都のジオラマを作った時は、リキテックス・モデリングペーストで貼り付けました。
あれは、小石を貼り付けた後に塗装することを決めていたからです。
今回は、このまま石の色を生かすかもしれないので、乾くと透明になるので木工用ボンドを使用します。
この工程は地味ですね。木工用ボンドを付けては、石をひたすら貼り付けていきます。
そういえば、この小石の商品名は「魚焼きグリルサンド」といいますが、なぜ”サンド”なんでしょうね??砂というには少し大きめですよね(笑)
側面の小石の貼り付けが完了して、屋根の部分に移ります。
隙間に合った形の石を探して、どんどん貼り付けていきます。
電源ボックスカバーが形になりました。あとは塗装を待つばかりです。
電源ボックスカバーができましたので、全体的な塗装に入ります。
まずは外壁を塗装します。
最初にサーフェイサーを吹いて・・・
タミヤ(ラッカー系)スプレー塗料 TS-03 ダークイエローで塗装します。
コンセプトからすると、この色でもは少々明る目ですが、多少汚しを入れることで暗い印象に変えようと思います。
壁と、電源ボックスカバーのスプレー塗装が終わりました。
塗装は、まだまだ続きます。