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模型大好き!~情景家・櫻和春のジオラマ製作 / ラジコン製作

 

1955年(昭和30年)トヨペット・クラウン
ジオラマ製作記
1/32オーナーズクラブ・アリイ(マイクロエース)

アリイ(マイクロエース)から発売されている1/32オーナーズクラブ '55トヨペット・クラウン(初代クラウン)のジオラマ、『小京都の旅』の製作記です。テーマは”小京都”。はんなり、しっとりの和のテイストが伝わるジオラマを創り上げます!

小京都ジオラマの川底周辺の製作記の続きです。
このページでは、透明レジンを流して川を完成させて、橋を架け、陸の地面の作成までを実況中継します。

さて、キラキラ輝きながら小京都を優雅に流れる川の表現がうまくできるのか!?乞うご期待です(って櫻はドキドキです(笑))
アリイ '55トヨペット・クラウン 小京都のジオラマ製作

製作記 その10(1/32小京都ジオラマ製作記~川の製作ファイナル、低木・高木の製作、橋の取り付け)



アリイ '55トヨペット・クラウン 小京都のジオラマ製作 タミヤ透明エポキシ樹脂2箱 川の水面表現は「タミヤ透明エポキシ樹脂」をメインで使用します。

水面製作の鉄板製品だけあって他の透明レジンよりも価格は高めですが、 失敗の許されない工程ですので、素材にも安心感が求められます。

こういう時には、やっぱりタミヤ様のブランド力は絶大です。

透明レジンは他社からもいろいろなものが販売されていますが、 透明レジンを流してしまうと、川底製作はもう後戻りできませんので、 なかなか冒険できないんですよねぇ。



アリイ '55トヨペット・クラウン 小京都のジオラマ製作 タミヤ透明エポキシ樹脂の計量 しっかり計量します。

・・・ でも実はこれ、撮影のためにそれっぽいハカリを用意しただけで、 今回はハカリの出番は無いんです(笑)

櫻の目論見では、おそらく、2箱全部が必要になりますので、 今回は4本まとめて入れちゃうだけでいいんです。
(でも泡が極力入らないようにそっと入れましたョ)

容器はタミヤオリジナルの透明レジン専用撹拌容器です。
(ウソウソ。本当は100円均一のホーロー容器にシールを貼っただけです(汗))



アリイ '55トヨペット・クラウン 小京都のジオラマ製作 タミヤ透明エポキシ樹脂の撹拌 泡立たないように気をつけながら、2つの液体をしっかりと撹拌します。

すぐに固まってしまうなんてことはありませんから、 落ち着いて、心行くまで、とにかく混ぜて混ぜまくります。

「タミヤ透明エポキシ樹脂」の注意書きにもありますが、 良く混ざっていないと本当にいつまでたっても固まりません。

やり直しは精神的にもお財布にも優しくありませんので、 はやる気持ちを抑えて、手を抜かずに行います。



アリイ '55トヨペット・クラウン 小京都のジオラマ製作 タミヤ透明エポキシ樹脂をジオラマベースへ流し込む 完全に2液が混ぜ合わさったら、いよいよレジン流しとなります。

枠に隙間ができていないかを再度確認して、 ゆっくりと流していきます。

もちろん泡立たないように心がけますが、 この時点で完全に泡を出さないのは無理ですので あまり神経質にならないように平常心で流します。

どんなに慎重に流しても、例えば川底の砂と砂の間の空気が 気泡になってしまう場合なんかももありますしね。



アリイ '55トヨペット・クラウン 小京都のジオラマ製作 タミヤ透明エポキシ樹脂の気泡を取る 無事に流し終えました。

やはり、「タミヤ透明エポキシ樹脂」2箱分全部を使用してぴったりでした。

ここで泡取りです。

もうすっかり寒い季節になりましたので、 ドライヤー(画像左上にちょっとだけ写っています)で 透明レジンを温めつつ、爪楊枝で泡をつついて 一つ一つの泡を消していきます。

結構根気の要る地味な作業ですが、手を抜くと、 明らかに手を抜いたのがバレバレになるところですので、 とにかく泡をつぶしまくります。
(とはいえ、実世界の川でも泡くらい立つでしょうから、泡が残るのはアリだと櫻は考えています。)



アリイ '55トヨペット・クラウン 小京都のジオラマ製作 タミヤ透明エポキシ樹脂で波を作る1 透明レジンの表面が程よく固まってくる少し前あたりから波を作り始めます。

この”固まってくる少し前”の見極めがなかなか難しい。

2液の混合比率の微妙な違いや気温、湿度なんかも影響するからなんだと思いますが、 何時間後から波造りの開始、っていうのが決まっていないんです。

たまに爪楊枝でツンツンつついてみて”その時”がやってくるのを待ちます。



アリイ '55トヨペット・クラウン 小京都のジオラマ製作 タミヤ透明エポキシ樹脂で波を作る2 ”その時”がやってきました(笑)

そして、”この時”の間に波を作っていきます。

画像は、ピンセットの方向を変えたりしながら波を造っているところです。

ここではピンセットを使用していますが、ほかにも爪楊枝や割り箸など その時の状況や造りたい波の形状に合わせていろいろなものを道具として使用します。



アリイ '55トヨペット・クラウン 小京都のジオラマ製作 タミヤ透明エポキシ樹脂で波を作る3


アリイ '55トヨペット・クラウン 小京都のジオラマ製作 タミヤ透明エポキシ樹脂の波の一応の完成 一応の完成版です。

自然光で撮影していることもあり、 水面の感じが出ていて、これはこれでかなりいい雰囲気になりました。

でも、でも、どうしても満足感に浸れません。

確かに緩やかな流れの川で、 このような水面を持った川もあるとは思いますが、 何かイメージしていたものと違うんです。

日本の川、それも小京都という純和風の川であるならば もう少し繊細かつ凛とした雰囲気があってもいいんじゃないかと 思ってしまったんです。

この波、なんとなくユルさがあるんですよねぇ。

・・・と思ってしまったからには自分に嘘はつけません。

必殺技(笑)で波を細かくすることにしました。
(まぁ、通常、これは”修正”と呼ばれる作業ですね(汗))


アリイ '55トヨペット・クラウン 小京都のジオラマ製作 タミヤ透明エポキシ樹脂の波の完成 はい。これが必殺技を使った後の画像です。
(つまり修正後ってことです(大汗))

波の粒度を最初の川よりも高めることで、小京都を流れる 繊細かつ凛とした空気が、 イメージに近い形で 表現することができました。



アリイ '55トヨペット・クラウン 小京都のジオラマ製作 タミヤ透明エポキシ樹脂の波の完成 鯉・ナマズ製作の際に余った紙粘土で陶器風の水鉢と金魚を 作っていましたので、ほんの少し川の透明レジンを拝借しました。



アリイ '55トヨペット・クラウン 小京都のジオラマ製作 タミヤ透明エポキシ樹脂の波の完成 ハス風の葉っぱもちょっとだけ載せてみました。

これは、京町家の玄関前に置いてみようかなぁと思っています。



アリイ '55トヨペット・クラウン 小京都のジオラマ製作 低木の葉となるミズゴケをカット 水面表現の製作が終了しました。
(実は数日後に水面に曇りが出てしまい、再修正を並行して行っています(汗))

川周辺は一旦完成ということにして、京町家を設置する陸側の ジオラマレイアウトベースを造り込んでいきます。

まずは木の製作です。低木から手を付けることにしました。

イメージは、「ラインゴールド」や「ブルースター」という 植栽ではポピュラーな部類の低木です。

画像は、100円均一のミズゴケをカットしているところです。

これを、ミニチュア低木の葉にする予定です。



アリイ '55トヨペット・クラウン 小京都のジオラマ製作 低木の幹を針金で造る 幹はアルミの針金にしてみました。

太い針金ですが、アルミ製ですので、 曲げるのもカットするのもそれほど大変ではありません。

紫色はドギツイのですが、この色しか売っていなかったんです。 ただ、塗装してしまうので特に気にしません。



アリイ '55トヨペット・クラウン 小京都のジオラマ製作 針金で造った低木の幹 ミニチュア低木の幹ができました。

上方を蚊取り線香のように一巻きしてから 幹を下向きに曲げてみました。

ラジオペンチを2本使用すると作業がサクサク進みます。



アリイ '55トヨペット・クラウン 小京都のジオラマ製作 モデリングペーストで低木の幹を造形1 上方と幹にモデリングペーストを塗り、 木の基本ベースを仕上げます。



アリイ '55トヨペット・クラウン 小京都のジオラマ製作 モデリングペーストで低木の幹を造形2 モデリングペーストはこんな感じに帽子みたいに塗りつけて 低木の丸い感じを表現します。



アリイ '55トヨペット・クラウン 小京都のジオラマ製作 ミズゴケで低木の葉を表現 木工用ボンドを塗る モデリングペーストが乾いたら、 先ほどカットしたミズゴケを貼り付けます。

画像は、ベースとなる幹に木工用ボンドを塗っているところです。 ここは”水溶き”ではなく”原液”を使用します。



アリイ '55トヨペット・クラウン 小京都のジオラマ製作 ミズゴケで低木の葉を表現 ミズゴケを貼り付ける 木工用ボンドをたっぷり塗ったら、ミズゴケを付けて、 少しだけギュッと押し付けて固定させます。

フライを作る時にパン粉を付けるような、 そんなイメージです。

ハゲたところが出ないように、密度を高くして貼り付けていきます。 木工用ボンドをたくさん塗るのはそのためです。



アリイ '55トヨペット・クラウン 小京都のジオラマ製作 エアブラシで低木を塗装 木工用ボンドが乾燥したら塗装です。

エアブラシで、あえて色ムラを作りながら塗装します。



アリイ '55トヨペット・クラウン 小京都のジオラマ製作 塗装した低木の乾燥中 マリモ乾燥中。

いえ、いえ、低木ですって(笑)

陸に植えればスケール感が出ますので、 ちゃんと低木に見える(はず)です(汗)

塗料が乾燥してから、ツヤ有りクリヤとツヤ消しクリヤを 1:1で混ぜたクリヤをたっぷり吹きました。

これは、見た目だけでなく、ミズゴケの固定の意味もあります。

低木のフワフワした葉の感じを壊さないように、 コンプレッサーの圧力は低めで吹き付けます。



アリイ '55トヨペット・クラウン 小京都のジオラマ製作 完成したミニチュアの低木3種類その1 ミズゴケのもともとの色を生かして色ムラを作りつつ、 低木一本一本も色の違いが出るようにしました。

全部同じ色って自然界ではありませんしね。



アリイ '55トヨペット・クラウン 小京都のジオラマ製作 完成したミニチュアの低木3種類その2 幹はほとんど見えませんが、 Mr.カラーのマホガニーで塗ってみました。

これで、低木は完成です。



アリイ '55トヨペット・クラウン 小京都のジオラマ製作 高木の製作 今度は 高木ですね。 「たかぎさん」じゃなくて「こうぼく」ですよ(笑)

幹は時間短縮のため、鉄道模型用の中木を2本使用して ベースとなる高木を造ります。

2本を上下に連結させて中木を高木にします。 継ぎ目には芯となる針金を挿して強度を出しています。

ちょうど画像にある木の中央部分が結合部分。 これは、結合部分にエポキシパテを巻いて 強度を出しているところです。



アリイ '55トヨペット・クラウン 小京都のジオラマ製作 プラリペアで川側と陸側を接合1 高木製作の途中ですが、いったんジオラマベースの製作に戻ります。

これまでジオラマベースは川側と陸側をセパレートして、 川側の製作を進めてきましたが、 ここで、2つのジオラマベースを接合します。

地面を造る前に接合させて、川側との接合部分に 違和感が出ないようにするためです。

画像は、プラリペアの粉末樹脂を接合部に置いていっているところです。 最初に仮止めとして瞬間接着剤も使用していますが、 この部分の結合は確実にしなければなりませんので、 接合部分が強固になるプラリペアを使用します。

また、石垣と地面の隙間を埋める意味もあります。



アリイ '55トヨペット・クラウン 小京都のジオラマ製作 プラリペアで川側と陸側を接合2 プラリペアの粉末樹脂を置いたら、液体樹脂を静かに流して 粉末樹脂を硬化させます。

上からポタポタと落とすと、その部分が穴になってしまいますので、 針の部分をプラバンに付けて、液体樹脂がプラバンを伝って 粉末樹脂に到達するように流すとうまくいきます。

この液体樹脂は塗装を侵しますので、出し過ぎに注意しながら進めます。

プラリペアは樹脂素材の接合材としては最高なんですが、 液体樹脂の特有の強いにおい(有機溶剤系のにおい)が難なんですよねぇ。

Mr.ホビーのツールクリーナよりも臭いように感じます。

通気の良い部屋で行うか、換気をしっかりしたほうが無難です。



アリイ '55トヨペット・クラウン 小京都のジオラマ製作 プラリペアで川側と陸側を接合3 念のため、裏側もプラリペアで固めておきました。

これで、磐石な地面になりますね。



アリイ '55トヨペット・クラウン 小京都のジオラマ製作 プラリペアで橋を架ける 橋と陸側の接合です。プラバンを使って段差を無くし、 プラバンと地面の段差をプラリペアでカバーします。

このプラリペアは接合の意味も兼ねています。



アリイ '55トヨペット・クラウン 小京都のジオラマ製作 橋と陸の土表現 マスキング 地面の製作です。まずは橋からです。

雪上の表現ならこのままエアブラシでそれっぽく塗装するだけなのですが、 今回のジオラマの季節は初夏ですので、全体を砂っぽい感じにして 轍(わだち)に挟まれた中央部分に草を生やしたいと思います。

まずは、マスキングです。欄干と下に流れる川に 地面の素材が落ちないようにしっかりマスキングします。



アリイ '55トヨペット・クラウン 小京都のジオラマ製作 橋と陸の土表現 水溶き木工用ボンドを塗る 筆で水溶き木工用ボンドを塗って・・・



アリイ '55トヨペット・クラウン 小京都のジオラマ製作 橋と陸の土表現 ボンドが乾かないうちに砂をパラパラとふりかける 乾かないうちに海の砂を撒きます。

轍の部分にはあまりかからないように、中心部分を狙います。

少しくらいは轍にかかるのもかえって自然ですので、 あまり細かいところは気にしないで進めてしまいます(笑)



アリイ '55トヨペット・クラウン 小京都のジオラマ製作 橋と陸の土表現 とのこをふりまく それから、きなこ”とのこ”をふりかけます(笑)

ちなみに”とのこ”の原料ってご存知ですか? 石なんですって。石を粉末状にしたのが”とのこ”だそうでして。

恥ずかしながら櫻はこのことを最近知りました。



アリイ '55トヨペット・クラウン 小京都のジオラマ製作 橋と陸の土表現 とのこふりまき完了 陸側の地面も、橋と同じように砂と”とのこ”を振りまきました。

でも、これだけだと陸側と橋との区別もなく、 見た目ものっぺりとして面白味がありません。



アリイ '55トヨペット・クラウン 小京都のジオラマ製作 橋と陸の土表現 コーヒーで土を作る そこで取りいだしたるは、ネスプレッソの粉。コーヒー粉です。



アリイ '55トヨペット・クラウン 小京都のジオラマ製作 橋と陸の土表現 コーヒーをパラパラとふりまく ネスプレッソを茶漉しにいれて、"とのこ”と同様に 陸側の地面にふりかけます。

”ふりかける”という表現にしていますが、 画像に少し写っているように、人差し指で ポンポンポン・・・と軽く茶漉しを叩いて、 振動で粉を落とす感じで進めるとうまくいきます。

文字通りに”ふりかける”と、粉が落ち過ぎてしまうことがあります。 ”軽くポンポン方式”だとその失敗が少ないですよ。



アリイ '55トヨペット・クラウン 小京都のジオラマ製作 橋と陸の土表現 水溶き木工用ボンドで固定させる 粉系のふりかけも終わりましたので、地面素材の固定に入ります。

水溶き木工用ボンドに、ほんのちょっと食器用洗剤を入れた溶液を 注射針で注入していきます。

画像だけだと上からポタポタと落としているように見えますが、そうではなく、 こんな風に針の先端に水玉を作ったら、地面素材に吸収させるように そっと地面に水玉を置いていくように丁寧に進めます。



アリイ '55トヨペット・クラウン 小京都のジオラマ製作 橋と陸の土表現 マスキングテープをはがす 最後にマスキングテープをはがしたら・・・



アリイ '55トヨペット・クラウン 小京都のジオラマ製作 橋と陸の土表現 完成 はい、地面の出来上がりです(喜)

次の頁は、製作記 その11(陸側の製作、高木・犬走りなどの製作、ジオラマ全体の仕上げ)

 下記からトヨペット・クラウン
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