タミヤ・ランボルギーニ・チータ のレストア作業の開始です。
とにかく代替部品が入手困難で失敗が許されませんので、丁寧に作業を進めます。
裏側。フロントバンパーの傷が目立ちます。
クリア樹脂のアンダーガードも傷はありますが、ヒビなどは無いようです。
ホイールの緑は、塗料を筆塗りされています。櫻としては、オリジナルに近いものにしたいので、塗料を落とすか、塗り直しになります。
合計20本(1本のタイヤは5本のネジでフロントシャフトに取り付けられています。)のネジを外してタイヤを外してみると・・・想像以上の量の土などが付着していました。
リヤのスイングアームにヒビが見えます。
洗浄するために、ある程度のところまで分解します。
画像は、リヤサスペンション部を取り外したところです。
スイングアームは、所々にヒビがあるものの、状態としてそれほど悪くありません。
そして、フロントサスペンション部も分解してみました。
リヤよりも土の付着がひどいです。
ただ、回転部が錆びているということもなく、フロントシャフトも意外に軽く回るので、重大な問題はなさそうです。
あまりにも土の付着がひどいので、水で洗浄する前に歯ブラシで、ある程度のところまで土を落とすことにしました。
これは、粘土質の畑を走行させていたような感じですね。
ここまで遊んでもらえて、タミヤ・ランボルギーニ・チータ は、幸せな青年期を送っていたことが想像されます。
やっぱり、ラジコンは走行させてナンボだと思いますから。
これから晩年に入りますが、丁寧にレストアして長生きしていただくことにしましょう。
あらかた土も取れたので、中性洗剤を使って歯ブラシをメインに使ってゴシゴシします。
使えるところは刷毛を使うなど気を遣って洗浄しますが、こびり付いた汚れは歯ブラシを使うしかありません。
細かい傷は付いてしまいますが、ここは仕方ないですね。
洗浄が終わって乾燥中です。
ここの画像にはホイールのパーツが一個写っていません。
実は、一つだけ接着が強くて外すことができなかったんです。
(後日外すことができました。)
金属パーツは、KURE556やタミヤオイルスプレーを使って汚れや、固着したグリス類を洗い流します。
ある程度汚れが落ちたらオイルを含ませたティッシュで拭きます。
ホイールの緑の塗料は、薄め液を付けた布では落とせませんでした。
となるとシンナー風呂っていうのがセオリーではありますが、樹脂を傷めるのは、今回のレストアのポリシーに反しますので、そのまま色を重ねることにしました。
どうしても外れなかったホイールは、厳重にマスキングしてタイヤを保護します。
ちなみに、内側に紙を入れていますが、外はマスキングテープで全身を覆いました。
マスキングテープがもったいないのですが、紙だけでマスキングすると、スプレーのシンナー成分が紙を通って内側に入ってしまい、タイヤに悪影響を及ぼす可能性があるので、惜しみなく使用しています。
これ、ローバーディフェンダー90のウインドウで失敗している反省から来ている作業です。
ローバーディフェンダー90のウインドウでは、マスキングテープを惜しんで中央部部分を紙だけにして塗装したところ、シンナー成分で表面が侵されて、透明度が落ちてしまったという失敗があったんです。
グレーのサーフェイサーを吹いて下のグリーンを消します。
ホワイトに見えますが、あまり明るくしたくなかったので、吹いたのはグレーのサーフェイサーです。
それから、タミヤカラースプレー塗料のダークイエロー(TS-03)を吹きました。
ボディに近い色かと思っていたのですが、実際に吹いてみると、ボディよりもかなり濃かったです。
ま、ホイールはちょっと濃い位でちょうどいいもんね。
と言い訳してみたり・・・(笑)
ここからは、少しばかり、亀裂集となります(汗)
これが亀裂1
亀裂2
亀裂3
亀裂4・・・というように、結構ありました。
ただ、幸い、致命的な亀裂は一つもありませんでした(安堵)
こういう亀裂はプラリペア様が得意とするところです。
ただ、プラリペアの通常の使用法である、粉末樹脂と液体樹脂を混ぜてから使用する方法は、今回は使いません。
今回の亀裂は溝が狭いので、通常の方法では、亀裂の奥の方まで混合液のプラリペアが流れないことがあるからです。
今回は、先に粉末樹脂を亀裂部分に落とし込み、液体樹脂をその上からポタポタと落としていく方法にします。
最初に、粉末樹脂が滑り落ちないように、亀裂の外側をマスキングテープで貼り付けて、プラリペアの樹脂粉末を乗せます。
そうすると、粉が自然に亀裂の底まで入っていきます。
ちょうど画像のように粉を置くと、粉が滑るように溝に入るので、その上から液体樹脂を落とす方法です。
(というより、実際は付近から伝わるように伝え落とすという感じです。)
画像では粉末樹脂がかなり広範囲に置かれていますが、これは補強の意味でそうしています。
黒のプラリペアが固まると、こんな感じになります。
溝の中にもプラリペアが行き渡っているのがわかります。
上の部分にもマスキングテープが貼られていますが、これから同じ作業をするためです。
スイングアームの補修が終了したので、フロントサスペンション部を再び組み立てました。
細かい傷はありますが、土や汚れがすっかり落ちて全体としてはとてもきれいです。
それにしても、シンプルかつ重厚な構造ですね!
この、今ではありえない無骨な雰囲気が タミヤ・ランボルギーニ・チータ の魅力の一つです。
さて、フロント部では、右側のサスペンション機構に問題があるらしく、スイングアームがカタカタとスムーズに動いてしまうような状態でした。
(サスペンションが全然効いていません。)
バネが効いていないという状態では、走行ができません。
タミヤ・ランボルギーニ・チータ やコンバットバギー はトーションバーが折れるという問題を良く耳にはしていましたが、今回の タミヤ・ランボルギーニ・チータ のトーションバーは、見た目にはおかしいところがありませんでした。
事実、分解してみると、トーションバーが問題ではなかったということがわかりました。
この画像にあるように、トーションバーの効きを調整する役目のパーツが割れてしまっていて、このパーツの内側でトーションバーが空回りしていたので、バネの効果が出ていなかったのです。
本当は、この調整役のパーツだけを補修したいところですが、かなり力がかかるところでもありますので、プラリペアで広範囲を固めてしまうことにしました。
あまりやりたくなかったのですが、調整の際に使用するスプリングのところも一部プラリペアで固められています。
これで、この部分を使ってのバネ強度調整ができなくなってしまいましたが、見た目にはあまり変わりませんので仕方が無いですね。
今回のリペアポリシーには反しますが、やむを得ません。
画像の左側が補修の途中画像です。ここまでなら見た目にもほとんど変わりません。
でも今回は、右側にあるくらいまでプラリペアを盛りました。
これで タミヤ・ランボルギーニ・チータ のフロントサスペンション機構が再び期待される動きができるようになりました(大喜)
タミヤ・ランボルギーニ・チータ のシャーシのフロント部は完成です。
タミヤ・ランボルギーニ・チータ シャーシのリヤサスペンション部の組み立てに入ります。こちらはフロント側からのショット。
モーターはこちら側に付きます。
タミヤ・ランボルギーニ・チータ シャーシのリヤサスペンション部のリヤ側からのショットです。
タミヤ・ランボルギーニ・チータ は一番手前にあるチェンジギヤ(3種類あります)を交換する方法で、高速・中速・低速の3段階にスピードを調整することができます。
今付いているのは、チェンジギヤAで、低速用です。
組立説明書には、走行時に乾電池を使用する場合には、この低速用が絶対となる旨が書かれています。
今回の タミヤ・ランボルギーニ・チータ は、乾電池仕様にする予定です。
何と言っても、純正パーツとして乾電池の接点部品が、送られてきた部品の中にありましたし、当時は、バッテリー仕様だけが念頭に置かれていたわけではないというタミヤのラジコン史にかかわる重要な設計だからです。
ということで、チェンジギアAを組み込みました。
リヤサスペンション部もできあがりました。
リヤサスペンション部をシャーシに組み込みました。
左が上から見たところで、右が底から見たところです。
リヤのトーションバーは、機構全体を含めても問題ありませんでした。
(でも、きっといつかは問題が出てくるんだとは思いますが・・・)
これは、フロントアンダーガードです。
一部分が特に傷だらけになっています。
まぁ、ここは当然傷がいっぱいになるところではあります。
表面も塗装が剥げている部分はありましたが、あまり手を入れずにレストアを行うという今回のポリシーに沿って、傷がいっぱいある裏面だけ最低限のやすりをかけて再塗装することにしました。
再塗装はしますが、傷はある程度残ったままになっています。
深い傷をきれいにしようとすると、他のきれいに塗装が残っている部分も犠牲にしてしまうので、そこまでしてツルツル、ピカピカにはしません。
バンパーは全体的に傷がひどいですね。
角の傷は特に傷だらけです。
このバンパーの傷も、たくさん遊んでいた勲章としてそのままにしようと思いましたが、ボディが新品なので、ボディの一部とも言えるバンパーがあまりに傷が多すぎると、見た目の安定感が無いので、ある程度のところまで紙やすりをかけて、その後にヘルメット用のコンパウンドを使って軽く磨く程度までは行いました。
ある程度まで傷が取れたバンパーを取り付ければシャーシの駆動系が完成です(喜)
できる限りオリジナルの タミヤ・ランボルギーニ・チータ に近づけるため、スピードコントロール装置としてアンプは使用しません。
この無段変速スイッチを使用します。
導通チェックしたところ全く問題がありませんでした。当時のヒューズも生きている証拠です!
なんと、ヒシチューブまで付いていました。多分当時のものと思われる素材感です。
これは勿体無いので、熱を加えずに単なるパイプとして通すだけにとどめました。
サーボも、櫻が持っている中では最も古い部類に入るサンワのSM-631を使用しました。
確か、櫻がホットショットを買った時に一緒に買った、マシーンA(エース)というプロポに付いてきたサーボだったと思います。
ただ、古いとは言うものの タミヤ・ランボルギーニ・チータ が発売されてから5年弱(もっとかな・・・)経過してから発売されたサーボですので、時代考証としてはちょっと甘いですね(汗)
受信機もおそらくマシーンAに付属のものだったと思います。
電池ボックスは、多分まったく別のセットのものです。
BECコネクターが付いていますので、マシーンAの次の世代のものなんじゃないかなぁ。
ステアリングサーボもサンワのSM-631でマシーンAに付いてきたものです。
サーボホーンがなんだか変ですよね(汗)
これは、カットすることができずにそのまま付けたっていうヤツです(汗)
でも、このあと、ボディに干渉することがわかって、赤丸のところだけ泣く泣くカットしました。
タイヤは、油分が少なくなっていて、このまま放置しておくとボロボロと剥がれてくることが想像できるので、洗浄をせずに、タイヤ用のワックススプレーを吹くことにしました。
これで、油分を吸収してくれたらなと。
少なくとも表面の保護にはなるので、何もしないよりは、はるかに寿命が延びると思います。
見た目にも元気になったように感じます!!
これで、シャーシのレストアは完了です!